「真の日本精神」を伝える運動は、総裁・大塚寛一先生が創始した運動です。大塚先生は、人類は「夜の時代」から「昼の時代」への大転換期にあると説いています。そして、この転換期の世界を「明けゆく世界」と名づけています。そして、真の日本精神は、新時代の指導理法であることを明らかにしています 。
天の時
世の中のことは、天の時、地の利、人の和によって、その興亡盛衰が決定する。中でも〃時〃というものは、偉大な役割を果たしている。 たとえば、横綱でもある年齢を過ぎてしまえばその地位を保つことができないのと同様に、いかなる達人といえども、時期を失すれば事を成就させることは不可能である。 ゆえにその時期を誤らず、時の流れに順応して事を行なうとき、人間の力が最高度に発揮されて目的が達成される。 ここ百年足らずの間に、物質科学が急速に発達したため、何事も人智でなし得ないものはないかのように錯覚して、人間を含むこの宇宙のいっさいが、偉大な法則により支配されていることを見失ってしまった。 その結果、大自然の動きを無視して、近視眼的な、きわめて浅薄な人間の智恵のみにとらわれているため、すること万事が極度の矛盾に陥って、人間が造った文化でありながら、その文化のために、人類自身が崩壊破滅しようとする大きな過ちを犯している。 今にして宇宙的視野に立ち、自然の法則、その動きに即応するように、世の中の制度機構をあらためて正しい軌道に引き戻さなければ、今日の跛行的文化が凶器となり、人類滅亡のおそれがある。 循環の摂理 けだし、いかなるものにも限度がある。時計の振子でもある所までいけば元へ戻り、一年の四季にしても、春夏秋冬を繰り返すところに永続性がある。 もし、一方的に進行したり、循環の摂理がなかったなら、生物は三年もたたぬうちに滅亡してしまう。 地球は赤道で南北に分かれ、南が夏になると北は冬になり、北が夏になれば南は冬になるという、相反した運行を繰り返している。文化的にも東洋・アジアの表半球と、西洋・欧米の裏半球に大別できて、表半球は陽性の男性的・精神文化、裏半球は陰性の女性的・物質文化が発達し、その盛衰はおよそ三百五十年で循環する。 ゆえに、今から七百年ほど前には表半球に〃時〃がめぐって、ジンギスカンが世界の七割を征服し、約三百年前からは裏半球が活動期にはいり、西洋物質文化が非常に発達した。 そして英国は日の没するを知らぬほど世界に植民地をもち、アメリカは最も富める国となった。しかし今はもう、その盛りを過ぎた。 アジアの勃興 もし、物質科学だけがこのまま一方的に発達してゆくとしたら、農薬による被害、医学の誤り、原水爆の拡大にみるように、人類の自壊滅亡は火を見るよりも明らかである。 だが自然というものは実に合法的にできていて、その摂理は偉大である。時計の振子が一定の限度までゆけば元へ戻るように、今やその活動期は表半球へ巡って来たのである。東洋アジア・有色人種の独立勃興の気運が、澎湃(ほうはい)として起きてきたのは、そこに原因がある。 文化的にも、今まで、冬眠にはいっていた東洋の精神文化が躍動をはじめ、西洋物質文化と相まって、車の両輪のごとく均衡のとれた理想文化ができあがり、今日の発達した物質文化が、真に人類を益する文化として生かされてくる。 今はそのような時期に直面しておりながら、日本人はそれに気づかず、自己の持つ本質を忘れ、今なお欧米文化の模倣に専念している。 その欠陥がすべての分野に現われて、逆行・矛盾を生じ、政治・経済・教育・医学等、どの方面を見ても中心指導原理を見失って混乱を起こし、日本という国はありながら、内容実質は精神分裂症状の病人と同じく、崩壊前夜に迫っている。 革命前夜 従来の革命というものは、どこの国でも、自己民族のために起ち上がり、時代に即応するための制度組織の改善であった。日本の明治維新にしても、新時代に即応した民族の発展を期する革命であった。 ソ連や中国の共産革命も、自国を改革し、世界に対して有利な立場に導くために行なわれた。 ところが日本の今日の状態は(注 昭和四三年当時)、まさに赤色革命が爆発的に起きようとしているが、これは従来の革命と全く異質のものである。すなわち民族の誇りを捨て、日本人自らが自国を抹消し、国際人などと称して他国の思想の中に埋没しようとしている。これは他に類をみないたいへんな妄想錯覚である。 このような状態に陥ったのにはそれなりの理由がある。先ほどもふれたように、裏半球が活動期にはいっていた時代の中心は西の端の英国であった。ゆえにイギリスは日の没するを知らずと豪語したように、世界に広く領土を持ち、人類最大の全盛を誇っていた。 それが表半球にめぐってくると、東の端の日本が最高中心国となり、精神文化躍動の最先端になる。それだけまた矛盾も、最悪のどん底をつくことになる。そこに現代日本の混乱の原因があるが、これからは一躍、最高頂点まで上昇し、英国が世界に領土を一番広く持ったように、精神的に日本が全世界を包んでしまうところまで伸びられるのである。 存亡の分岐点 今は、ちょうどお産の時と同様に、指導者を得れば楽に子供が生まれるが、指導者を得ないときは難産して、親子とも死んでしまう危険の伴うたいせつな時機に直面している。 その重大なところにおりながら日本人はそれに気づいていない。陣痛で精神が混迷状態に陥っているのだ。そこで背中をドスンと叩いて気づかせ、目覚めさせて、もうひと頑張りすればりっぱな子供が生まれ出てくる。 したがって、日本精神復興運動は、その産婆役と同様に、日本人を叩き起こして、気づかせ、無事にこの難関を突破できるように仕向けるための運動である。 いかなる好機にめぐりあっても気づかず、誤った方向へ進めば難産して親子もろとも死んでしまう。 よく自覚してその難関を突破すれば、日本が繁栄するばかりでなく、その精神的指導原理が全世界に打ち出されることになり、今まで対立抗争の絶え間のなかった西洋物質文化の欠陥が補われ、そして均衡がとれ調和したときに、はじめて全人類の共存共栄しうる理想世界が実現する。それは車の両輪のごとく、また男女・夫婦と同様である。 真の日本精神 その日本の指導原理は、実に自然の法則にかなっていて、他国に比類なきものである。 世の中のものは一見、雑然としていて不自然なように見えるけれども、合理的で、秩序整然とした原則のもとに動いている。 太陽にしても、月、地球、金星、土星、みな整然とした法則のもとに対立摩擦なく運行している。日の出、日の入り、潮の満干も、昔から少しも変わらない。 人間もその原則にはずれないようにしてゆくところに、人の歩むべき誠の道がある。その原則を人間生活のうえに当てはめて実行する順序・秩序・法則が、日本精神となって現われているのである。 ゆえに真の日本精神は日本人だけのものではなく、人間である以上、なんびとも従わねばならない真理天則であり、世界精神なのである。 しかし先の大東亜戦争の際、国政をあずかった当時の指導者が、ヒトラーやムソリーニを模倣した覇道政治で戦いに敗れたため、戦後は、日本精神そのものが間違っているかのように教育しているが、日本精神が悪いのではない。指導者が日本精神を踏み外したのである。 当時、戦争など起こさずに、すでに表半球に活動の時期がめぐって来ていたのだから、君子然として厳正中立を守っていたら、おのずから不戦必勝、居ながらにして日本は開花満開した。 総決起団結の時 それにもかかわらず人為を加え、早咲きさせようとして散らしてしまった。その結果、日本が再起できないように仕組まれた憲法が押しつけられた。 ほんとうは、自国が繁栄するようにつくられる法則が憲法であって、国民にマイナスになるような憲法は、憲法に似て憲法ではない。 ゆえに政治、経済、教育、医学等、もうどの方面にしても方向を誤って、日本の国は、病気のガンにたとえれば三~四期の重症に陥って、まさに崩壊寸前に迫っている。 この際、全国民は、心の奥底に眠っている心眼を開いて、その実体を看破し、真にとるべき道、すなわち日本精神に即刻、復帰、総決起して団結し、まず祖国日本を精神的に再建しなければならない。そうすれば、おのずから繁栄の道が開けてくる。 そして、この道を世界に広めてゆくところに、〃八紘一宇〃の神意がある。それは天地開闢以来、実在する最高指導原理であり、また日本に、肇国(ちょうこく)以来、すでに運命づけられた使命である。 (鶏鳴新聞昭和四三年七月三日号掲載)
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